CASE STUDY

導入事例

導入事例 東京都新島村(導入機:連結式中型圧縮減容機5070HDC)

東京都新島村が取り組む最終処分場延命への挑戦
離島の資源循環を支える圧縮減容機

東京都の伊豆諸島に位置する新島村。新島と式根島の2島から構成されるこの自治体は、竹芝桟橋から高速ジェット船で約2時間半、調布飛行場からは飛行機で約40分というアクセスの良さを持ちながら、豊かな自然環境と美しい海岸線に恵まれています。特に新島はサーフィンの聖地として知られ、年間を通じて多くの観光客が訪れます。

そんな新島村では、資源物の分別回収や島外搬出を進めながら、限られた土地と資源を有効活用する取り組みを続けられており、その現場を支えているのが、2台の当社圧縮減容機5070HDCです。

圧縮減容機の導入によって、資源物の保管や搬出にどのような変化が生まれているのでしょうか。離島ならではの廃棄物処理の課題と、新島村が進める資源循環の取り組みに迫ります。



離島特有の資源循環の課題

新島村では、ごみの分別回収や資源化を推進しており、住民にも分別への協力を呼びかけています。資源物としては、主に缶類やペットボトルなどを回収していますが、離島という地理的条件から、本土の自治体とは異なる課題があります。

特に古紙や新聞紙については、過去に資源化を進めようとしたこともありました。しかし、島外へ搬出するための海上輸送費や物流コストが大きな負担となり、資源としての売却価値を上回ってしまうケースが多く、継続的な仕組みとして定着させることができませんでした。そのため現在は、古紙や新聞紙の多くを島内の施設で焼却処理しています。

現在、新島村のリサイクル率は概ね3~5%程度で推移しています。本土の自治体と比較すると高い水準とは言えませんが、本土の自治体と異なり、離島では資源化そのものよりも輸送コストが課題となります。そのため新島村ではリサイクル率の数値だけを追うのではなく、環境負荷と経済性のバランスを重視しています。

また、ペットボトルについては、住民にキャップを外して排出してもらう一方で、ラベルについては無理に剥がすことを求めていません。容器包装リサイクル協会が定める品質基準において、ラベルが付いた状態でも大きく評価が下がるわけではなく、適切に分別・圧縮された状態で搬出できれば資源化が可能であるためです。

資源化品質を確保しながらも、住民負担を過度に増やさないこと。新島村では、こうした現実的な運用を重視し、継続して取り組める資源循環の仕組みづくりを進めています。

最終処分場の延命という大きなテーマ

新島村における最大の課題の一つが、島内にある最終処分場をいかに長く活用していくかという点です。離島では新たな廃棄物処理施設の整備が容易ではなく、新島村においても自然公園法などの制約から、新たな最終処分場を建設することは現実的に難しい状況です。

そのため、現在使用している最終処分場をできる限り延命していくことが重要なテーマとなっています。特に不燃ごみについては埋立処分されるため、その発生量をいかに削減するかが課題です。

一方で、ビンや缶、不燃物などを島外へ搬出することができれば、その分だけ島内処分場の延命につながります。新島村では、処理コストと処分場の残余容量の両面を考慮しながら、資源化や島外搬出の可能性を検討しています。

圧縮減容機導入の背景

新島村では現在、ペットボトルなどの資源物を島外へ搬出していますが、以前は多くの廃棄物を島内で埋立処分していました。2000年の容器包装リサイクル法の完全施行や資源循環に対する社会的な要請の高まりを受け、離島である新島村においても資源化を進める必要性が高まりました。

しかしペットボトルなどの資源物は容積が大きく、そのまま保管・搬出すると保管スペースを圧迫するだけでなく、輸送効率も低下してしまいます。離島では輸送船のスペースにも限りがあるため、資源物を効率的に搬出することが重要です。

その中で、限られた保管スペースを有効活用しながら効率的に島外搬出を行うためには、資源物の圧縮減容が不可欠でした。この課題を解決する手段として、圧縮減容機の導入が進められました。

導入にあたって重視されたのは、安定して稼働すること、保守管理がしやすいこと、そして十分な減容効果が得られることです。また、島外搬出時にはアミカゴへの積み込み作業が必要となるため、圧縮後のベールサイズや荷姿が既存の物流フローに適しているかも重要な選定ポイントとなりました。

圧縮後の輸送荷姿

導入効果:保管効率と島外搬出効率の向上

圧縮減容機の導入後は、ペットボトルや缶類を効率的に圧縮できるようになり、資源物保管スペースの有効活用につながっています。離島では保管スペース自体が貴重であり、減容化による効果は非常に大きいといいます。

また、資源物を一定量まとめて保管・搬出できるようになったことで、搬出作業の計画も立てやすくなりました。圧縮することで輸送効率は確実に向上しており、限られた輸送スペースを有効活用できることは、離島にとって大きなメリットです。

導入前と比較して、廃棄物保管ヤード内の整理もしやすくなりました。搬出までの保管効率が向上し、限られたスペースを有効に活用できるようになったことは、現場運営の改善にもつながっています。

資源物を安定して島外へ搬出できる体制を維持することは、住民が分別した資源物を適切にリサイクルルートへ乗せることにもつながります。圧縮減容機は、地域全体の資源循環を支える重要な設備となっています。

【月間処理量】

  • ペットボトル:約38~40塊/月
  • 1塊 重量:約20kg
  • 月間処理量:約760~800kg


圧縮前にはフレコンバック約42袋分となるペットボトルも、圧縮後は約3塊まで減容することが可能です。これにより保管スペースを大幅に削減できるだけでなく、限られたヤードを効率的に活用できるようになり輸送効率の大幅な改善に寄与しています。

離島環境で求められる耐久性と継続運用

一方で、海に囲まれた環境で使用するため、塩害による腐食は避けられない課題です。特に式根島で使用している圧縮減容機については、長年の使用に伴う腐食が見られ、一部は溶接補修を行いながら運用しています。

それでも、離島という厳しい環境下で長期間稼働を続けており、設備の耐久性はもちろん、部品交換や補修を行いながら継続して使用できることも、離島の廃棄物処理現場では重要なポイントとのことです。

島の実情に合った循環型社会へ

"新島村では今後も、美しい自然環境を次世代へ引き継ぐため、資源循環のさらなる推進と最終処分量の削減を目指しています。その一つとして、不燃物の島外搬出を拡大し、最終処分場への埋立量を減らす取り組みを進めていきたいと考えています。

離島では、本土と同じ方法がそのまま通用するわけではありません。輸送費、保管スペース、処分場容量、住民負担、そして自然環境への配慮。さまざまな条件を踏まえながら、地域の実情に合った持続可能な廃棄物処理体制を構築していく必要があります”

新島村における圧縮減容機の活用は、単なる設備導入ではなく、限られた最終処分場を延命し、持続可能な島づくりを支える取り組みの一つです。限られた土地と資源を未来へつなぐため、新島村の挑戦はこれからも続いていきます。

圧縮減容機は、単なる設備ではありません。限られた土地を有効活用し、最終処分場の延命と資源循環を支えるインフラとして、新島村の持続可能な島づくりを支えています。

今回お話をうかがった 有限会社青沼興業 青沼様(左) 新島村役場 富田様(右)


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