導入事例紹介
トラスコ中山株式会社 様
「段ボール処理時間75%削減!
「大型圧縮減容機3820」で処理コスト削減と働く環境対策を両立
「トラスコ オレンジブック」でお馴染みのトラスコ中山株式会社は、機械工具をはじめ、物流資材やオフィス用品など、製造業を支えるさまざまな作業用品を卸売販売しています。
そんな同社の強みは、圧倒的な在庫量。約61万アイテムもの「在庫を抱える」方針であらゆる顧客ニーズに迅速に対応し、競合他社へのBtoB販売も展開しています。 しかし、その裏で起きていたのは、入荷商品を梱包してあった大量の廃段ボールの発生でした。特に入・出荷量が多い拠点のひとつである物流拠点のプラネット大阪(大阪府堺市)では、月間約20トンもの段ボールを手作業で解体し処理・廃棄する必要がありました。
段ボールの波が押し寄せる物流センター
プラネット大阪では、1日に約1トンもの廃段ボールが発生しています。中でも、商品の荷受け場所である1階のAゾーンでは300kgと特に発生量が多く、次のような問題点がありました。
・スペースの圧迫:カゴ台車3台分(W3,300×D800mm)のスペースを占有
・煩雑な作業:2人で約20分かかる処理作業
・非効率な運搬:Aゾーンから廃段ボール回収場所までの長距離移動(センター内の端から端まで)。
カゴ台車に敷き詰められた廃段ボール(左)側面から(右)正面から
新技術導入 決断の道
ある日、オーワックジャパン株式会社からの提案で「大型圧縮減容機3820」の存在を知ったトラスコ中山株式会社。同社プラネット大阪の岩木正文センター長は、「正直、本当に効果があるのか半信半疑でした。しかし『モノづくりを支える』我が社の理念に基づき、新しい技術にチャレンジする価値はあると考え、テスト運用としての意味も込めて導入を決めました」と話します。
大型圧縮減容機3820について
大型圧縮減容機3820は、投入口が1500mmとワイドな設計になっています。段ボールのサイズを問わず、解体・分解する必要がないため、作業の手間を省き効率的に処理することができます。 さらに、投入口の扉を閉じると自動で圧縮が始まり、排出時もボタンを押すだけの抜群の操作性です。装置に添付された簡易マニュアルとスマートフォンからアクセスできる作業手順動画もあるため、どんな方でも簡単に使うことができます。
大型圧縮容器3820に廃段ボールを投入するパート従業員
オーワック株式会社提供の簡易専用マニュアル
大型圧縮減容機3820の主なスペック
・本体サイズ:W2,075×D996×H2,576mm
・投入口:W1,500×H650mm
・圧縮サイズ:W1,500×D800×H1,140mm
・圧縮物の重量:約350~500kg
・圧縮力: 高圧26t 低圧18t ※段ボールは約6分の1サイズに圧縮
・電源:3相交流 200V 30A
・モーター:4.6kW
段ボール以外にも、廃プラ(ビニール・ストレッチフィルム・フレコン等)一般雑ゴミ、衣類など、さまざまな資源物・廃棄物の圧縮も可能です。
プラネット大阪に設置されている大型圧縮容器3820
スペース・時間・効率を一挙改善!
大型圧縮減容機3820の驚きの効果 2024年1月、同社はプラネット大阪のAゾーンに大型圧縮減容機3820を導入しました。 さらに、Aゾーンには商品の積み下ろしを行うトラックバースがあるため、一部を廃段ボールを回収するパッカー車のスペースとして確保し、処理から廃棄までの効率的な動線を組むこともできました。 すると、廃段ボール処理の効率が一気に上がり、次のような効果を実現できました。
・保管スペース30%減:カゴ台車3台分→オーワック1台分
削減スペースを商品置き場として活用できるように!
・処理時間75%減:約40分(約20分×2人)→約10分×1人
同じ人員数で、より多くの入・出荷作業を行えるように!
・運搬効率向上:センター内の廃段ボール置き場まで→機械の設置場所から荷受けバースまで
圧縮後の廃ダンボールはW1,500×D800mmの1ベールのため、ハンドリフトを使えば1人で簡単に運べるように!
プラネット大阪のAゾーンフロア
段ボール排出時
圧縮された廃段ボールをハンドリフトで運ぶパート従業員
「もう昔の作業には戻れない」の声も
大型圧縮減容機3820を使用したことがある従業員の皆さんは、その手軽さから「正直、一度使ってみるともう昔のやり方には戻れない」と話します。 また、女性が多く働く環境ならではのメリットも多くありました。 職場環境が整備され柔軟な働き方ができることから、近年、女性求職者の間では物流倉庫作業の仕事が注目されており、同社でも120人のパート従業員のうち約80%は女性です。 女性従業員の声 「以前は段ボールの解体作業で爪が割れてしまうことがありました。今は機械に入れるだけなので、とっても楽で簡単です」 「段ボールの解体は時に力作業になることも多いのですが、力任せに行うとけがをしてしまうこともあります。今は力仕事は機械に任せられるので安心です」 従業員のけがのリスクが減ることは、企業にとっても労災リスクの低減につながる大きな利点です。 大型圧縮減容機3820は、業務効率化に加えて労働力負担の削減や安全性の向上など、従業員と企業の双方にとって嬉しい成果をもたらしていることがわかりました。
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ランニングコストや注意点を徹底解説
大型圧縮減容機3820の効果でさまざまな環境改善が進むことがわかりましたが、機械の導入・継続には次のような点を考慮する必要もあります。
イニシャルコスト
本体価格:380万円(税抜)+輸送・設置費 ※ただし、2025年3月時点の価格になります
ランニングコスト
定期的なメンテナンス:例えば、最も交換頻度が高いとされるガススプリングは1〜2年でのメンテナンスが必要 ・廃段ボール梱包紐:約120ベール(廃段ボール約60トン)ごとに交換が必要
運用上の留意点
圧縮操作(シャッターを閉じる操作)は必ず1名で行います。 ※指を挟まないよう安全設計が施されているため ・設置場所は装置本体の大きさだけでなく、圧縮梱包物を排出するスペースを確保する必要があります。
設置スペースの確保(単位はすべてmm)
メンテナンスや作業効率を考えたオーワックが推奨する設置スペースは
幅:2,600(本体2,075)×奥行き:2,500(本体996)×高さ2,576(搬入時2000)
実際には上記より狭いスペースに設置しているお客様も多くいるそうです。
オーワック株式会社のメンテナンス体制
そこで当社では、定期メンテナンスプランから臨時のご依頼まで、充実したサポート体制を構築しております。 北は稚内から南の離島まで、全国のお客さまのご相談にお応えする体制を整えているため、万が一の事態にも、お客さまへの影響を最小限に抑えるよう迅速に対応しています。海外製ではありますが、主要部品は新三郷倉庫に在庫している為、ご購入後10年以内の商品は、修理部品の欠品によりお待たせすることはありません。
大型圧縮容器3820に取り付けられた梱包紐
廃棄物処理の常識を覆す、新たな可能性
2025年4月現在、全国で約130台導入されている大型圧縮減容機3820(縦型の同型機3420を含む)。 その内訳は、約6割が物流倉庫と残る4割は工場系施設などですが、近年、古紙回収業者が新たな営業戦略としての利用を始め、注目を集めています。
古紙回収業を営むA社は、取引先の物流倉庫や工場に大型圧縮減容機3820を設置し、廃段ボールの引き取り業務を囲い込む方法をとったのです。
① A社が費用を負担して取引先に機械を設置
② 一定期間廃段ボールの買取単価を下げ、減額分を機械の償却費とする
③ 機械の費用を回収後、買取単価を元に戻す
これにより、A社は最低でも3年半の長期的な取引を確保しつつ、初期投資を回収できる仕組みとなっています。 さらに、大型圧縮減容機3820の圧縮梱包サイズの横幅はパッカー車の投入口の規格とほぼ一致するため、~400kgのダンボールをまとめて搬入できることから回収業務に携わる方の従業員の負担も大幅に軽減されています。パッカー車のアイドリング時間も大幅に軽減されるためCO2削減にも大きく貢献します。 また、自治体によっては省力化や業務改善を目的とした補助事業もあるため、お近くの行政機関にお問い合わせいただくのもおすすめです。 このように、大型圧縮減容機3820は単なる圧縮減容機としてだけでなく、働く環境づくりや新たなビジネスモデルとしても注目されています。CO2削減効果も分かりやすいという点も見逃せません。 廃棄物処理に関心のある皆さまは、こうした多角的な活用方法も視野に入れて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
パッカー車の投入口と圧縮された廃段ボールの横幅はほぼ一致